QC検定3級/実践分野
5Sと安全・職場管理
5Sは掃除の話ではなく、異常が一目で分かる職場を作るための土台です。整理と整頓の意味の違いが繰り返し問われます。
5Sのそれぞれの意味
順番と定義がそのまま問われます。とくに整理と整頓は意味が違うので、取り違えないでください。
| 整理(せいり) | 要るものと要らないものを分け、要らないものを捨てる。 |
|---|---|
| 整頓(せいとん) | 要るものを、必要なときすぐ取り出せるように決めた場所に置く。 |
| 清掃(せいそう) | ごみ・汚れを取り除き、きれいな状態にする。 |
| 清潔(せいけつ) | 整理・整頓・清掃の状態を維持する。 |
| 躾(しつけ) | 決められたことを決められたとおりに実行する習慣をつける。 |
整理が先、整頓が後
要らないものが混ざったまま並べ方を工夫しても、探す手間は減りません。まず捨てて(整理)、それから置き場を決める(整頓)という順序に意味があります。
この順番を逆にすると「要らないものをきれいに並べる」ことになってしまいます。試験でも定義の入れ替えが選択肢として出るので、順序と定義をセットで覚えてください。
なぜ5Sが品質につながるのか
5Sの本当の狙いは、職場をきれいにすること自体ではありません。異常が一目で分かる状態を作ることです。
置き場が決まっていれば、物が無いことにすぐ気づきます。設備がきれいなら、油漏れや異音の兆候が見えます。汚れて散らかった職場では、異常が起きていても異常に見えません。
つまり5Sは、管理の前提条件を整える活動です。だから品質管理の教科書に必ず出てきます。
安全に関する考え方
労働災害を防ぐための考え方も、実践分野で問われます。
| ヒヤリハット | 災害には至らなかったが、ひやりとした・はっとした出来事。集めて未然防止に使う。 |
|---|---|
| ハインリッヒの法則 | 1件の重大災害の背後に29件の軽災害と300件のヒヤリハットがあるとされる考え方。 |
| 指差呼称 | 確認対象を指さし声に出して確認する。思い込みによる誤りを減らす。 |
| KY活動(危険予知) | 作業前に潜む危険を出し合い、対策を決めてから作業に入る。 |
| 安全第一 | 生産や効率より安全を優先するという原則。 |
ヒヤリハットは未然防止の材料
ヒヤリハットは「何も起きなかった出来事」なので、報告されずに埋もれがちです。しかし重大な災害の予兆がここに現れます。
報告した人が責められる職場では情報が集まりません。集めて活かす仕組みを作ることが、未然防止につながります。これは品質のクレーム情報の扱いと同じ考え方です。
よくある質問
整理と整頓の違いは何ですか?
整理は「要らないものを捨てる」、整頓は「要るものを取り出しやすく置く」です。捨ててから並べる、という順序にも意味があります。定義を入れ替えた選択肢が出るので、必ず区別してください。
5Sは掃除のことですか?
違います。清掃は5Sの1つにすぎません。5S全体の狙いは、異常が一目で分かる職場を作り、管理しやすい状態にすることです。
ハインリッヒの法則の数字は覚える必要がありますか?
1対29対300という比率が問われることがあります。ただし数字そのものより、「重大災害の背後に多数の小さな出来事がある」という考え方と、だからヒヤリハットを集めるという結論のほうが重要です。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。