QC検定3級/第2章 実践分野

★★☆ 出題の目安 2/3 改善の進め方の骨格。

管理と改善の進め方(PDCA・QCストーリー)

PDCAは改善のサイクル、SDCAは維持のサイクルです。この2つの違いと、問題解決を進めるQCストーリーの手順が問われます。

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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

維持と改善は別のサイクル

管理には2つの側面があります。決めたやり方を守り続ける維持と、より良い状態に変える改善です。それぞれに対応するサイクルがあります。

SDCA で維持(標準A)PDCA で改善SDCA で維持(標準B)PDCA で改善SDCA で維持(標準C)時間品質の水準改善で上げた水準を標準化して保ち、また改善する。この階段を繰り返す
維持(SDCA)と改善(PDCA)は交互に回る
PDCA Plan(計画)→ Do(実施)→ Check(確認)→ Act(処置)。改善を回すサイクル。
SDCA Standardize(標準化)→ Do → Check → Act。決めたやり方を維持するサイクル。

改善したら標準化して固める

PDCAで改善しても、そのやり方が定着しなければ元に戻ります。だから改善の最後には必ず標準化を行い、SDCAで維持する状態に移します。

「改善して、固めて、また改善する」という繰り返しが、階段を上がるように水準を上げていく、これが継続的改善の考え方です。PDCAとSDCAは対立するものではなく、交互に回すものです。

問題と課題の違い

言葉の使い分けとして問われます。

問題は「あるべき姿と現状のギャップ」です。すでに起きている悪さで、原因を取り除けば解決します。

課題は「ありたい姿と現状のギャップ」です。いまは困っていないが、これから目指したいこと。原因を探すのではなく、新しい方策を考えます。

このため、問題には問題解決型QCストーリー、課題には課題達成型QCストーリーと、進め方も分かれます。

問題解決型QCストーリーの手順

3級では、この順番と各段階で何をするかが問われます。

① テーマの選定 取り組む問題を選ぶ。重点指向で影響の大きいものから。
② 現状の把握 データを取って事実をつかむ。層別やパレート図を使う。
③ 目標の設定 「何を・いつまでに・どれだけ」を数値で決める。
④ 要因の解析 特性要因図で候補を洗い出し、データで確かめる。
⑤ 対策の立案と実施 真の原因に対する対策を打つ。
⑥ 効果の確認 対策前後を同じ指標で比べる。目標に届いたか確認する。
⑦ 標準化と管理の定着 効果があった方法を標準に落とし込み、維持する。

手順を飛ばすとどうなるか

よくある失敗は、②現状の把握と④要因の解析を飛ばして、いきなり⑤対策に飛ぶことです。原因が分からないまま対策を打つので、効くかどうかが運任せになります。

また⑦標準化を省くと、担当者が変わった時点で元に戻ります。QCストーリーの手順は、この2つの失敗を防ぐために順番が決まっています。

課題達成型QCストーリーは「攻め所」から始まる

問題解決型は、いま起きている悪さの原因を探して取り除く進め方でした。課題達成型は、まだ起きていない「ありたい姿」に向かうので、原因を探す手順がありません。代わりに、どこを攻めれば届くかを決める「攻め所」と、成功までの筋道を描く「成功シナリオ」が入ります。

新製品の立ち上げ、新しい設備の導入、これまでにない水準の目標、のように現状の延長では届かないテーマに使います。

PDCA の最後に標準化(Standardize)を加えて PDCAS と呼ぶことがあります。どちらのストーリーも最後の手順が標準化なのは、改善の結果を維持の仕組みに移すためです。

① テーマの選定 ありたい姿と現状の差から、取り組む課題を選ぶ。
② 攻め所と目標の設定 課題を分解して、どこを狙えば届くか(攻め所)を決め、目標を数値と期限で決める。
③ 方策の立案 攻め所に対する方策を、できるだけ多く出す。
④ 成功シナリオの追求 方策を効果・実現性・費用で評価し、最適な組合せと実施の筋道を作る。
⑤ 成功シナリオの実施 計画どおりに実施し、途中の状況を確かめる。
⑥ 効果の確認 目標に届いたかを数値で確かめる。
⑦ 標準化と管理の定着 効果のあったやり方を標準にして、維持する。

職場ではこう使う(事例)

梱包工程で、出荷ラベルの貼り間違いが四半期に十数件起きていました。そのつど貼り直して出荷していたので、対応はいつも応急処置で終わっていました。

問題解決型の QC ストーリーに乗せると、まず現状把握です。3か月分の記録を集めると、間違いは特定の2品番に集中し、どちらも品番の末尾だけが違う製品でした。目標は「この2品番の貼り間違いを次の四半期でゼロにする」と数字で決めます。

要因解析では、ラベルの印字が小さく末尾が読みにくいことと、2品番が同じ棚に置かれていることの2つが浮かびました。対策は印字の拡大と棚の分離。効果の確認で3か月間ゼロを確かめてから、棚の配置を作業標準書に書き込みました。標準化まで終えて初めて改善が完了します。ここを飛ばすと、担当者が代わった時点で元に戻ります。

試験ではこう問われる

QC ストーリーの手順の順番、PDCA と SDCA の使い分け、問題と課題の区別が定番です。手順を並べ替える問題では「現状把握 → 目標設定 → 要因解析 → 対策」の順が崩れた選択肢を見抜きます。

「維持は SDCA、改善は PDCA」と「改善したら標準化」の2点を押さえておけば、この分野の選択肢はほぼ絞れます。

よくある質問

PDCAとSDCAはどちらを先に回しますか?

現状が安定していないなら、まずSDCAでやり方を決めて守れる状態にします。安定してからPDCAで改善に進みます。ばらついたままの工程を改善しても、効果があったのか判断できないためです。

問題と課題の違いが覚えられません。

「あるべき姿」=本来こうあるべきだったのに達していない=問題、「ありたい姿」=これから目指したい=課題、と分けてください。問題は原因を取り除く、課題は方策を作り出す、という進め方の違いにつながります。

QCストーリーの手順は暗記が必要ですか?

順番は問われるので覚える必要があります。ただし「現状を把握してから要因を解析し、対策を打って効果を確認し、標準化する」という流れは論理的につながっているので、意味で追えば丸暗記にはなりません。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    管理のサイクル PDCA の「C」が表す活動として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:3 実施した結果を目標と照らして確認・評価する

    PDCAは Plan(計画)→Do(実施)→Check(確認)→Act(処置) の順に回します。Cは実施結果を目標と比べて確認・評価する段階です。 Pは計画、Dは実施、Aは処置です。Cを飛ばすと、うまくいったのかどうか分からないまま次に進むことになります。確認は必ずデータで行うのが原則です。

    問題番号 3-jissen-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    問題解決型QCストーリーで、一般に最初に行うステップはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 テーマの選定

    問題解決型QCストーリーは、テーマ選定→現状把握→要因解析→対策→効果確認→標準化(歯止め) の順で進めます。 最初に対策へ飛んでしまうのが典型的な失敗です。現状把握と要因解析を経ないと、原因が分からないまま対策を打つことになり、効くかどうかが運任せになります。

    問題番号 3-kaizen-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    「なぜ」を繰り返して根本の原因を掘り下げる分析方法を何というか。

    答えと解説を見る

    正解:1 なぜなぜ分析

    なぜなぜ分析は「なぜ?」を繰り返し、表面的な現象の奥にある根本原因にたどり着くための手法です。 注意したいのは、なぜを繰り返す方向が人でなく仕組みに向くことです。「担当者が不注意だったから」で止めると再発防止になりません。

    問題番号 3-kaizen-002(誤りに気づいたらお知らせください)

読んだあとにやること

読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。