QC検定4級・3級・2級の解説
QC検定3級は暗記だけでは越えられません。手法分野は計算の手順を身につける必要があります。ここでは例題を1ステップずつ計算しながら解説します。
3級 手法分野(計算が必要な分野)
この4本は順番につながっています。基本統計量から始めてください。 標準偏差が出せないと、工程能力指数も管理図も計算できません。
データのまとめ方と基本統計量
平均・範囲・平方和・不偏分散・標準偏差は、すべて同じデータから順につながって出てきます。この順番で手を動かせるようになると、工程能力指数も管理図も同じ流れで解けます。
工程能力指数(Cp・Cpk)の求め方
Cp は規格の幅をばらつきの幅で割った値、Cpk はそれに平均のかたよりを反映した値です。Cp が十分でも Cpk が低いことがあり、その差こそが3級で問われる点です。
管理図の読み方と管理限界線の計算
管理限界線は「工程の実績から計算する線」で、規格値とはまったく別のものです。この区別ができているかが、3級の管理図の問題で最も問われます。
正規分布と標準化・二項分布
正規分布の問題は、u = ( x − μ ) ÷ σ で標準化して表を引く、という一本道です。管理図の3σ も工程能力指数の6s も、この分布の性質から来ています。
QC七つ道具の使い分け
7つの道具は、それぞれ答えられる問いが違います。「どれを使うか」ではなく「何を知りたいか」から選ぶと迷いません。3級の手法分野で最も配点が大きい範囲です。
新QC七つ道具の使い分け
新QC七つ道具は、数字にできない言語データを整理するための道具です。7つのうちマトリックス・データ解析法だけが数値を扱う、という例外が頻出します。
3級 実践分野
QC的ものの見方・考え方
実践分野で最も多く問われる範囲です。個々の言葉を単独で覚えるのではなく、対になる言葉との違いで押さえると混ざりません。
管理と改善の進め方(PDCA・QCストーリー)
PDCAは改善のサイクル、SDCAは維持のサイクルです。この2つの違いと、問題解決を進めるQCストーリーの手順が問われます。
品質保証と品質の概念
「ねらいの品質」と「できばえの品質」、「当たり前品質」と「魅力的品質」など、対になる言葉の区別が問われます。保証と補償の書き分けも頻出です。
検査と抜取検査の考え方
抜取検査は「一部を見て全体を判定する」方法なので、必ず判断を誤る可能性が残ります。この誤りに2種類あることが3級で問われます。
計測の基礎と測定誤差
「誤差」「かたより」「ばらつき」は別の意味の言葉です。測ったデータそのものが信用できなければ、その先の統計計算はすべて無意味になります。
品質経営の要素(方針管理・日常管理・標準化)
方針管理は上から下へ展開する縦の活動、日常管理は各部門が担当業務を維持する横の活動です。この対比で押さえると混ざりません。
5Sと安全・職場管理
5Sは掃除の話ではなく、異常が一目で分かる職場を作るための土台です。整理と整頓の意味の違いが繰り返し問われます。
2級で新しく加わる手法
2級は3級の範囲に統計手法が積み上がります。検定と推定が合否を分けます。 手法分野の7本は例題を1ステップずつ計算する形式、実践分野の3本は用語を役割で整理する形式です。
検定と推定の手順
検定は「差がない」と仮定して、そのもとで観測値がどれだけ珍しいかを数値にする作業です。手順は5段階で固定されていて、母分散が既知か未知かで使う分布が変わるだけです。推定は同じ計算を逆向きに使います。
相関分析と単回帰分析の計算
相関係数も回帰直線も、材料は平方和 Sxx・Syy と積和 Sxy の3つだけです。この3つを出せば、相関係数は割り算1回、回帰直線の傾きも割り算1回で決まります。切片は直線が (x̄, ȳ) を通ることから出ます。
一元配置の分散分析表の作り方
分散分析は、データ全体のばらつきを「要因によるもの」と「誤差によるもの」に分け、その比で要因の効果を判定します。計算は平方和 → 自由度 → 不偏分散 → F₀ の順で、表を埋めていけば答えが出ます。
抜取検査と OC 曲線の読み方
抜取検査は「ロットの一部だけ調べて全体を判定する」ので、良いロットを落とす確率と悪いロットを通す確率が必ず残ります。この2つの確率を、ロットの不適合品率ごとに描いたのが OC 曲線です。曲線が読めれば、検査方式の良し悪しを数値で説明できます。
二項分布とポアソン分布の使い分け
3級の統計は正規分布(計量値)が中心でした。2級では不適合品の個数や欠点数といった計数値を扱うために、二項分布とポアソン分布が加わります。どちらも平均と分散が式で決まるので、覚えることは式2本と近似の条件だけです。
計数値の管理図の選び方と計算
3級の X̄-R 管理図は計量値用でした。2級では不適合品数や欠点数を管理する4種類の管理図が加わります。どれを使うかは「不適合品か欠点か」と「群の大きさが一定か」の2つで決まり、管理限界はすべて平均 ± 3σ の形です。
Cpk とかたより:平均がずれた工程の能力
3級の Cp は、平均が規格の中心にあることを前提にした指数でした。2級では平均のずれ(かたより)を織り込んだ Cpk と、片側規格の扱いが中心になります。Cp と Cpk の差がそのまま「かたよりで失っている能力」です。
方針管理・機能別管理・日常管理の違い
3つの管理は「何を守り、何を変えるか」で分かれます。日常管理は標準どおりに維持する活動、方針管理は重点課題を達成するために変える活動、機能別管理は品質やコストなどの目的を部門横断で束ねる仕組みです。この3つの関係が、2級の実践分野で最もよく問われます。
新製品開発の品質保証:QFD・DR・FMEA・FTA
2級の品質保証は「検査で選り分ける」ではなく「設計と工程で作り込む」段階まで踏み込みます。顧客の要求を設計に落とす QFD、設計を審査する DR、故障を未然に洗い出す FMEA と FTA、そして量産前に工程の力を確かめる工程能力調査。順番と役割を押さえます。
品質経営の要素:ISO 9001・監査・品質コスト
2級の品質経営は、個々の改善活動ではなく「組織として品質を保つ仕組み」を問います。品質マネジメントシステムの規格 ISO 9001、それを点検する監査、品質の費用を3つに分ける品質コスト、仕組みを固める標準化。用語の暗記ではなく、それぞれが何のためにあるかで覚えます。
4級の解説(入門)
4級は合格率が8割前後の入門級で、計算は出ません。用語を場面と結びつけて覚えるための短い記事です。
品質とは何か:お客様の要求と品質管理の目的
品質とは「お客様の要求をどれだけ満たしているか」です。作り手が良いと思うものではなく、使う人が満足するかどうかで決まります。品質管理は、その品質を安定して作り続けるための活動です。
管理とは何か:標準を決めて、そのとおりに保つ
管理とは、やり方を決めて、決めたとおりに行い、結果を確かめて、ずれていたら直す活動です。良くする活動(改善)とは分けて考えます。管理項目と異常の扱いが4級の中心です。
改善の進め方:QCサークルと問題解決の手順
改善は、今のやり方を変えて結果を良くする活動です。思いつきで変えるのではなく、現状を数字でつかみ、原因を調べてから手を打ちます。職場の小グループで進めるのが QC サークルです。
工程とは何か:4M と前工程・後工程
工程とは、材料や部品に手を加えて価値を生み出す仕事のひとまとまりです。工程の結果は、人・機械・材料・方法の4つ(4M)で決まります。ばらつきの原因を探すときは、この4つで分けて考えます。
検査の目的と種類
検査は、製品を調べて決められた基準と比べ、合格か不合格かを判定する活動です。良品と不良品を分けることはできますが、品質そのものを良くすることはできません。どの段階で、全部を調べるか一部を調べるかで種類が分かれます。
5S と職場の安全
5S は整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つで、働きやすく異常に気づきやすい職場を作る活動です。順番に意味があり、整理(捨てる)が先、整頓(置き場を決める)が後です。安全は、けがをする前に危険に気づく仕組みで守ります。
1級は二次試験が論述中心で、このサイトの解説と練習問題の対象外です。1級の練習問題は一次試験の知識確認として25問だけ置いています。
この解説の使い方
よくある質問
QC検定3級は独学でも合格できますか?
合格率は50%前後で推移しており、独学で受ける人も多い試験です。ただし手法分野には計算問題があるため、用語の暗記だけでは足りません。計算分野は手順を覚えて実際に手を動かす練習が必要です。
どの分野から手をつければよいですか?
まず基本統計量からです。平方和・不偏分散・標準偏差の計算が、工程能力指数と管理図の前提になっているためです。ここが曖昧なままだと先に進んでも計算が合いません。
解説を読むだけで解けるようになりますか?
読んだだけでは止まります。各解説の最後にその分野の練習問題へのリンクを置いているので、読んだ直後に必ず解いてください。手が止まったところが理解できていない箇所です。
公式・用語まとめ 3級の練習問題 3級の模擬試験 3級の学習の進め方 2級の練習問題 2級の模擬試験 4級の練習問題
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。 合否を保証するものではありません。