QC検定3級/実践分野
検査と抜取検査の考え方
抜取検査は「一部を見て全体を判定する」方法なので、必ず判断を誤る可能性が残ります。この誤りに2種類あることが3級で問われます。
検査は何をする活動か
検査とは、品物やサービスの特性を測定し、規定と比べて適合しているかどうかを判定する活動です。
注意したいのは、検査は品質を確認する活動であって、品質を作る活動ではないという点です。検査を厳しくしても、工程が作り出す品質そのものは変わりません。
全数検査と抜取検査の使い分け
どちらを選ぶかは、検査の性質とコストで決まります。
| 全数検査が向く場合 | 不適合が重大な結果を招く。検査が簡単で費用が安い。ロットが小さい。 |
|---|---|
| 抜取検査が向く場合 | 破壊検査である。数量が多く全数では費用が見合わない。ある程度の不適合品混入が許される。 |
| 無試験検査が向く場合 | 過去の実績や品質情報から、十分に信頼できると判断できる。 |
抜取検査には必ず誤りが残る
一部だけを見て全体を判定する以上、判断を誤ることがあります。誤り方は2種類あり、それぞれ損をする側が違います。
| 生産者危険(α) | 本当は良いロットなのに不合格と判定してしまう危険。損をするのは作った側。 |
|---|---|
| 消費者危険(β) | 本当は悪いロットなのに合格と判定してしまう危険。損をするのは受け取る側。 |
両方を同時に小さくはできない
合格の基準を厳しくすれば、悪いロットを通す危険(消費者危険)は減りますが、良いロットを落とす危険(生産者危険)は増えます。基準を緩めれば逆になります。
つまりαとβはトレードオフの関係にあります。両方を同時に小さくするには、サンプルの数を増やすしかありません。ここが抜取検査の設計の勘所です。
OC曲線が表しているもの
OC曲線(検査特性曲線)は、横軸にロットの不適合品率、縦軸にそのロットが合格する確率をとったグラフです。
ロットの品質が悪くなるほど合格する確率は下がるので、右下がりの曲線になります。
サンプル数を増やすと曲線は急になり、良いロットと悪いロットをはっきり区別できるようになります。逆にサンプル数が少ないと曲線がなだらかになり、良し悪しの区別がつきにくくなります。
よくある質問
抜取検査で不適合品をゼロにできますか?
できません。一部しか見ないため、合格したロットの中に不適合品が混ざっている可能性は必ず残ります。抜取検査は「ロット全体としての品質水準を判定する」方法であって、不適合品を取り除く方法ではありません。
生産者危険と消費者危険はどちらが問題ですか?
どちらも避けたいものですが、性質が違います。生産者危険は良品を捨てる無駄、消費者危険は不良品が顧客に届くリスクです。一般に後者のほうが影響が大きいため、消費者危険を優先して抑える設計が取られることが多くなります。
サンプル数を増やせば必ず良いのですか?
判別の精度は上がりますが、検査の手間と費用も増えます。抜取検査を使う理由がコスト削減である以上、どこまで増やすかは費用とリスクのバランスで決めます。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
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