QC検定2級/第2章 実践分野

★★☆ 出題の目安 2/3 3級より一段深い理解が必要。

品質経営の要素:ISO 9001・監査・品質コスト

2級の品質経営は、個々の改善活動ではなく「組織として品質を保つ仕組み」を問います。品質マネジメントシステムの規格 ISO 9001、それを点検する監査、品質の費用を3つに分ける品質コスト、仕組みを固める標準化。用語の暗記ではなく、それぞれが何のためにあるかで覚えます。

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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

ISO 9001 は「仕組み」の規格であって、製品の規格ではない

ISO 9001 は品質マネジメントシステムの要求事項を定めた国際規格です。組織が顧客の要求を満たす製品やサービスを安定して提供できる仕組みを持っているか、を見ます。製品そのものの品質水準を保証する規格ではありません。認証を取っていても、製品が優れているとは限らない、という点が出題されます。

規格の土台にあるのが品質マネジメントの7原則です。顧客重視・リーダーシップ・人々の積極的参加・プロセスアプローチ・改善・客観的事実に基づく意思決定・関係性管理。「コスト最小化」のような原則には無い項目が選択肢に混ざります。

監査は誰が行うかで3つに分かれる

仕組みが決めたとおりに動いているかを、定期的に点検するのが監査です。

第一者監査(内部監査) 組織が自らの品質マネジメントシステムを点検する。改善の機会を見つけることが目的。
第二者監査 取引先(顧客)が供給者を監査する。
第三者監査 利害関係のない審査機関が行う。ISO 9001 の認証審査がこれ。

品質コストは「予防に使うほど失敗が減る」

品質にかかる費用を3つに分けます。予防コスト(教育・工程設計・DR など、不良を出さないための費用)、評価コスト(検査・試験の費用)、失敗コスト(不良品の廃棄・手直し・クレーム対応・リコールなど)。

望ましい方向は、予防コストを増やして失敗コストを減らし、総額を下げることです。失敗コストは市場に出てからのもの(外部失敗)が特に大きく、ここを減らすために設計段階の予防に投資する、という考え方です。

標準化は守るためだけでなく、変えるための土台

社内標準化は、良いやり方を文書にして誰がやっても同じ結果が出るようにすることです。作業のばらつきを減らし、技術を組織に残し、教育の基準になります。

標準は固定するものではありません。改善で良い方法が見つかれば標準を改訂し、改訂した標準を守ることで新しい水準が定着します。守る(SDCA)と変える(PDCA)は対立せず、交互に回ります。「標準は変えないほうがよい」という選択肢は誤りです。

TQM と小集団活動は仕組みを動かす人の側

TQM(総合的品質管理)は、経営トップから現場まで全員が参加して、品質を軸に経営全体を良くしていく活動の考え方です。方針管理・日常管理・品質保証・標準化・教育は、すべて TQM を構成する要素です。

小集団活動(QC サークルなど)は、現場の人が自主的に職場の問題を改善する活動です。成果だけを目的にすると続きません。参加者の能力向上や職場の活性化も目的に置くことで、活動が定着します。

教育・訓練も仕組みの一部です。手法の教育に加えて、なぜその手法を使うのかという考え方を教えないと、手法が形だけになります。

職場ではこう使う(事例)

ISO 9001 の認証を持つ部品メーカーで、顧客からのクレームが減らない状態を考えます。文書はそろい、審査も通っています。ところが内部監査で手順書を確認すると、実際の作業は手順書と違う方法で行われ、記録は後からまとめて書かれていました。仕組みはあっても動いていない状態です。

品質コストで見ると、この会社はクレーム対応や手直しの失敗コストが大きく、教育や工程設計の予防コストが小さい配分になっていました。予防に投資して失敗を減らすのが望ましい方向ですが、そのためには「手順書を守る」だけでなく「手順書を現場に合わせて改訂する」ことが要ります。

標準は固定するものではありません。現場で良い方法が見つかれば改訂し、改訂した標準を守る。この循環が回って初めて、認証が品質に結びつきます。認証は仕組みの有無を示すだけで、仕組みが機能しているかは別。この区別が、2級の品質経営でいちばん問われる点です。

よくある質問

ISO 9001 の認証を取ると、製品の品質は保証されますか?

されません。認証は「品質を管理する仕組みが規格の要求を満たしている」ことを示すだけです。仕組みがあっても運用が形だけなら製品品質は上がりません。試験ではこの区別が繰り返し問われます。

内部監査は何を目的にしますか?

自分たちの仕組みが決めたとおりに動いているか、規格や社内規定に合っているか、そして改善の機会がどこにあるかを見つけることです。責任者を罰することが目的ではありません。指摘事項は是正処置につなげます。

評価コストを減らすにはどうしますか?

検査を単に減らすのではなく、工程で品質を作り込んで検査に頼らなくてもよい状態にします。工程能力が十分になれば全数検査を抜取検査に、さらに工程管理だけに移行できます。予防コストへの投資が評価コストと失敗コストの両方を下げる、という関係です。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001が重視する考え方として、適切でないものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 最終検査で不良を取り除くことだけを重視する

    ISO9001は顧客重視・プロセスアプローチ・継続的改善などを原則とします。検査で取り除くだけでなく、工程で品質を作り込むことを重視します。

    問題番号 2-ke-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    経営トップ自らが現場に出向き、方針管理や品質活動の状況を評価・指導する活動を何というか。

    答えと解説を見る

    正解:1 トップ診断

    トップ診断は、経営トップが現場に赴いて方針の達成状況や課題を確認・指導する活動で、方針管理を機能させる仕組みの一つです。

    問題番号 2-ke-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    第三者や取引先ではなく、組織が自らの品質マネジメントシステムを点検・評価する監査を何というか。

    答えと解説を見る

    正解:1 内部監査(第一者監査)

    内部監査(第一者監査)は、組織が自らのQMSの適合性・有効性を点検する監査です。取引先による監査は第二者、認証機関によるものは第三者監査です。

    問題番号 2-ke-003(誤りに気づいたらお知らせください)

読んだあとにやること

読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。

この分野の練習問題 全10問を解く 公式をまとめて確認する 統計数表を引く

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。