QC検定2級/第2章 実践分野
★★☆ 出題の目安 2/3 3級より一段深い理解が必要。
新製品開発の品質保証:QFD・DR・FMEA・FTA
2級の品質保証は「検査で選り分ける」ではなく「設計と工程で作り込む」段階まで踏み込みます。顧客の要求を設計に落とす QFD、設計を審査する DR、故障を未然に洗い出す FMEA と FTA、そして量産前に工程の力を確かめる工程能力調査。順番と役割を押さえます。
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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。
品質保証は「後工程で見つける」から「前工程で作り込む」へ
不具合は、見つかる段階が後になるほど損失が大きくなります。市場に出てからの対応は設計段階の修正の何倍もの費用がかかります。だから2級の品質保証は、開発の早い段階で問題を潰す手法が中心になります。
流れで覚えます。要求を設計に落とす(QFD)→ 設計を審査する(DR)→ 故障を先に洗い出す(FMEA・FTA)→ 工程の力を確かめる(工程能力調査)→ 工程で保証する(QC工程表)。
QFD は顧客の言葉を設計の言葉に変換する
顧客は「軽くて丈夫」のような言葉で要求します。設計者が使うのは重量や強度といった特性値です。品質機能展開(QFD)は、この2つを表(品質表)で対応づけ、要求品質を品質特性に変換して設計品質を決める手法です。
変換はそこで終わりません。決めた設計品質を部品の特性、さらに工程の管理項目へと展開していきます。要求から工程まで一本の筋を通す、というのが QFD の狙いです。
DR は設計の節目に多分野で審査する
デザインレビュー(DR)は、設計の節目(構想・詳細・試作など)で、設計以外の部門も含めた専門家が集まって設計内容を審査する活動です。製造しやすいか、検査できるか、コストは合うか、市場で問題を起こさないか。設計者だけでは気づけない視点を入れます。
DR の目的は問題の早期発見であって、設計者の責任追及ではありません。責任を問う場にすると問題が隠れ、DR が機能しなくなります。
FMEA は下から上へ、FTA は上から下へ
どちらも故障を未然に防ぐ解析手法ですが、向きが逆です。
| FMEA(故障モード影響解析) | 部品や工程ごとに「どう壊れうるか(故障モード)」を挙げ、その影響と重大さを評価する。部品から製品へ、下から上へのボトムアップ。 |
|---|---|
| FTA(故障の木解析) | 「製品が止まる」のような望ましくない事象を頂点に置き、その原因を論理記号(AND・OR)で枝分かれさせて掘り下げる。上から下へのトップダウン。 |
| 使い分け | 設計初期に広く洗い出すなら FMEA、特定の重大事象の原因を突き止めるなら FTA。両方を組み合わせることも多い。 |
量産の前に工程能力調査で確かめる
設計が固まっても、工程がその品質を安定して作れるとは限りません。量産前に試作や初期流動のデータで工程能力指数を求め、要求水準(たとえば Cpk 1.33 以上)を満たすかを確認します。足りなければ、量産に入る前に工程の改善か設計の見直しを行います。
量産に入ってからは、QC工程表が工程での保証の拠り所になります。工程ごとに管理項目・管理水準・検査方法・担当を一覧にした表で、誰が何をどう管理するかを決めておきます。
品質保証体系図で全体の責任を見える化する
企画から設計・生産・販売・アフターサービスまで、各段階で誰が何を保証するかを1枚にまとめた図が品質保証体系図です。部門と段階を縦横にとり、活動と帳票の流れを線でつなぎます。
個々の手法(QFD・DR・FMEA)がどの段階で使われるかも、この図の上で位置づけられます。2級では、手法の名前と役割に加えて「どの段階で使うか」が問われます。
職場ではこう使う(事例)
小型モーターの新機種を開発するとします。まず顧客の要求(静か・長持ち・小さい)を品質表で騒音値・寿命・寸法といった品質特性に変換し、目標値を決めます。ここが QFD です。
構想設計が固まった節目で DR を開きます。製造部門から「この軸受は自動組立で入れにくい」、品質保証部門から「寿命試験の条件が使用環境と合っていない」といった指摘が出て、設計に戻します。設計者だけでは見えない問題を、量産前に潰すのが目的です。
詳細設計では FMEA で部品ごとの故障モード(軸受の摩耗、巻線の断線など)を洗い出し、影響の大きいものに対策を打ちます。試作品で工程能力調査を行い、寸法の Cpk が要求水準を満たすことを確かめてから量産に入り、QC 工程表で各工程の管理項目を決めます。手法は開発の段階ごとに役割が決まっていて、順番も決まっている。この流れで覚えると、どの手法がどこで使われるかを取り違えません。
よくある質問
FMEA と FTA はどちらを先にやりますか?
決まった順番はありませんが、設計の早い段階では FMEA で故障モードを広く洗い出し、そこで見つかった重大な事象について FTA で原因構造を詳しく解析する、という組み合わせが一般的です。向きが逆なので、互いに補い合います。
QC工程表と作業標準書は何が違いますか?
QC工程表は工程全体を一覧にして「どの工程で何を管理するか」を示す表です。作業標準書は個々の作業について「どうやるか」を書いた手順書です。QC工程表で管理項目を決め、作業標準書でその作業の手順を定める、という関係です。
3級の品質保証と何が違いますか?
3級では保証と補償の違いや、検査・クレーム処理の基本が中心でした。2級では、設計・開発の段階でどう品質を作り込むかという未然防止の手法(QFD・DR・FMEA・FTA)と、量産前の工程能力調査まで範囲が広がります。
読んだ内容が身についた?(確認問題3問)
選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。
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Q1
顧客の要求品質を品質特性に変換し、設計品質を定めて各機能・部品・工程へ展開する手法を何というか。
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正解:1 品質機能展開(QFD)
品質機能展開(QFD)は、顧客の要求品質を品質特性へ変換し、品質表などを使って設計・工程へ体系的に展開する手法です。
問題番号 2-qa-001(誤りに気づいたらお知らせください)
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Q2
製品やシステムの故障モードを取り上げ、その影響を評価してボトムアップで未然防止を図る手法はどれか。
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正解:1 FMEA(故障モード影響解析)
FMEA は構成要素の故障モードから出発し、その影響と対策を評価するボトムアップ的な未然防止手法です。
問題番号 2-qa-002(誤りに気づいたらお知らせください)
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Q3
好ましくない事象(トップ事象)を頂点に置き、その原因を論理記号で樹形図状に展開してトップダウンで解析する手法はどれか。
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正解:1 FTA(故障の木解析)
FTA はトップ事象から原因へ論理記号(AND/ORゲート)で展開し、故障の発生経路や確率を解析するトップダウン手法です。
問題番号 2-qa-003(誤りに気づいたらお知らせください)
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。