QC検定2級/第1章 手法分野
★★☆ 出題の目安 2/3 管理限界と規格の違いが頻出。(3級の範囲として)
計数値の管理図の選び方と計算
3級の X̄-R 管理図は計量値用でした。2級では不適合品数や欠点数を管理する4種類の管理図が加わります。どれを使うかは「不適合品か欠点か」と「群の大きさが一定か」の2つで決まり、管理限界はすべて平均 ± 3σ の形です。
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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。
4種類の管理図は2つの質問で決まる
計数値の管理図を選ぶとき、聞かれることは2つだけです。数えているのは不適合品(不良品)か、欠点(キズなどの数)か。そして、群の大きさ n は毎回同じか、変わるか。この組み合わせで4つに分かれます。
| np 管理図 | 不適合品数。n が一定。二項分布。 |
|---|---|
| p 管理図 | 不適合品率。n が変わってもよい。二項分布。 |
| c 管理図 | 欠点数。検査単位の大きさが一定。ポアソン分布。 |
| u 管理図 | 単位あたりの欠点数。検査単位の大きさが変わる。ポアソン分布。 |
管理限界はすべて「平均 ± 3σ」
式は4本ありますが、形は同じです。中心線は平均、限界線は平均から標準偏差の3倍だけ離れた位置。標準偏差の式が、二項分布かポアソン分布かで変わるだけです。
| np 管理図 | CL = np̄ UCL/LCL = np̄ ± 3√( np̄ (1 − p̄) ) |
|---|---|
| p 管理図 | CL = p̄ UCL/LCL = p̄ ± 3√( p̄ (1 − p̄) ÷ n ) |
| c 管理図 | CL = c̄ UCL/LCL = c̄ ± 3√c̄ |
| u 管理図 | CL = ū UCL/LCL = ū ± 3√( ū ÷ n ) |
例題:p 管理図と np 管理図の限界線
同じデータでも、率で管理するか個数で管理するかで数字が変わります。両方を出して、形が同じであることを確かめます。
例題:群の大きさ 200 個、平均不適合品率 3% の工程
毎日 200 個を検査しており、これまでの平均不適合品率は p̄ = 0.03 です。p 管理図と np 管理図の管理限界を求めます。
- ① p 管理図の標準偏差 √( 0.03 × 0.97 ÷ 200 ) = √0.0001455 ≒ 0.0121
- ② p 管理図の限界線 UCL = 0.03 + 3 × 0.0121 = 0.0662 LCL = 0.03 − 0.0362 = −0.0062 LCL がマイナスになりました。不適合品率は 0 未満にならないので、この場合 LCL は「考えない」とします。
- ③ np 管理図の中心線 np̄ = 200 × 0.03 = 6(個)
- ④ np 管理図の限界線 UCL = 6 + 3 × √( 6 × 0.97 ) = 6 + 3 × 2.41 = 13.2(個) LCL は負になるので考えない p 管理図の UCL 0.0662 に 200 を掛けると 13.2 で、np 管理図と一致します。同じことを率で見るか個数で見るかの違いです。
答え:p 管理図:CL 0.03、UCL 0.066、LCL なし。np 管理図:CL 6 個、UCL 13.2 個、LCL なし
よくある間違い:p 管理図で n が群ごとに違うときは、限界線も群ごとに計算し直します。n が大きい群ほど限界線が中心に近づく、ギザギザの管理図になります。
例題:c 管理図と u 管理図の限界線
欠点数の管理図はポアソン分布が土台なので、標準偏差は平均の平方根だけで決まります。
例題:塗装面のキズの数
製品 1 個あたりのキズの数を数えており、平均は c̄ = 4 個です。また、別の工程では製品 4 個をまとめて検査し、1 個あたりの平均欠点数が ū = 2.5 です。
- ① c 管理図の限界線 UCL = 4 + 3 × √4 = 4 + 6 = 10 LCL = 4 − 6 = −2 → 考えない
- ② u 管理図の標準偏差 √( 2.5 ÷ 4 ) = √0.625 ≒ 0.79
- ③ u 管理図の限界線 UCL = 2.5 + 3 × 0.79 = 4.87 LCL = 2.5 − 2.37 = 0.13 こちらは LCL が正の値なので、そのまま使います。LCL を下回れば「欠点が異常に少ない」という異常で、原因(検査の見逃しなど)を調べます。
答え:c 管理図:CL 4、UCL 10、LCL なし。u 管理図:CL 2.5、UCL 4.87、LCL 0.13
点が限界内でも、並び方で異常を見つける
管理図の判定は「限界線を越えたか」だけではありません。中心線の片側に点が続く、上がり続ける・下がり続ける、といった並び方も工程の変化を示します。JIS の判定ルールでは、連(片側に連続する点)の長さや、限界線に近い領域に点が集まることなどを異常のサインとしています。
計数値の管理図で特に注意したいのが、下側の異常です。不適合品率が急に下がったとき、工程が良くなったのか、検査が甘くなったのかは管理図だけでは分かりません。どちらにせよ原因を調べます。
よくある質問
LCL がマイナスになったらどうしますか?
不適合品率も欠点数も 0 未満にはならないので、LCL は「考えない(引かない)」とします。管理図には UCL と中心線だけを引きます。試験では「LCL は 0 とする」ではなく「考えない」という表現が使われます。
np 管理図と p 管理図はどちらを使えばよいですか?
群の大きさ n が毎回同じなら np 管理図のほうが個数で直感的です。n が変わるなら p 管理図しか使えません。数字の上では np 管理図の限界線 ÷ n が p 管理図の限界線になるので、同じ情報です。
計数値の管理図に R 管理図のようなばらつきの図は要りませんか?
要りません。二項分布もポアソン分布も、平均が決まれば分散が決まる分布です。平均を管理すればばらつきも管理したことになるので、図は1枚で済みます。X̄-R 管理図が2枚組なのは、正規分布では平均と分散が独立だからです。
読んだ内容が身についた?(確認問題3問)
選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。
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Q1
サンプルの大きさが一定のとき、不適合品数(不良個数)を管理する計数値の管理図はどれか。
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正解:1 np管理図
np管理図はサンプルサイズ一定のときの不適合品数を管理します。サンプルサイズが変わる場合は不適合品率のp管理図を用います。
問題番号 2-cc-001(誤りに気づいたらお知らせください)
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Q2
一定の大きさの検査単位あたりの欠点数(不適合数)を管理する管理図はどれか。
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正解:1 c管理図
c管理図は検査単位が一定のときの欠点数(不適合数)を管理します。単位の大きさが一定でない場合は単位あたりに直すu管理図を用います。
問題番号 2-cc-002(誤りに気づいたらお知らせください)
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Q3
検査単位の大きさが一定でないとき、単位あたりの欠点数を管理する管理図はどれか。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。